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2026.7.17 分子栄養学「日本人の食事バランス実態|令和6年 国民健康・栄養調査からわかること」

食事

分子栄養学「日本人の食事バランス実態|令和6年 国民健康・栄養調査からわかること」

暑さで食欲が落ちやすい夏は、さっぱりしたそうめんやアイス・ジュースなどの糖質に栄養素が偏りがちです。

分子栄養学が提唱する『オーソフードスタイル』では、新鮮でバラエティ豊かな食材を取り入れたバランスの良い食事を、1日3回よく噛んでしっかり食べることを、健康を維持し高めていくための大切な基本と考えています。

厚生労働省が発表した令和6年『国民健康・栄養調査結果の概要』※1。そこには、現代日本人の食生活の “驚くべき実態” が、数字となって表れていました。

夏にも注意したい、日本人の食事バランスの実態

令和6年 国民健康・栄養調査によると、主食(ごはんやパンなど)・主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を組み合わせた食事を1日2回以上、ほぼ毎日とっている人の割合は52.8%でした(図7)。

男女別では男性52.3%、女性53.2%とほぼ半数にとどまり、年齢階級別に見ると男女ともに20代が最も低い割合でした(図7)※1

つまり、20代を中心に、栄養バランスの取れた食事を日常的にとれていない人が半数近くいるということが心配されます。この調査は令和6年10月~11月に実施したもので、夏だけを対象にしたものではありませんが、もともと不足しがちな栄養バランスは暑さで食欲が落ちやすい夏にはさらに崩れやすくなる危険性が考えられます。

日本人女性の6人に1人が該当?貧血のリスク

栄養バランスの乱れは、貧血のリスクとも関係が深いテーマです※2。健全な赤血球産生を維持するための栄養素として、

・適切なエネルギー摂取量とタンパク質※3
・鉄※2、※4、※5、※6
・亜鉛※7、※8、※9
・銅※2、※10
・ビタミンA※11、※12、※13
・ビタミンB6※7、※14
ビタミンB12・葉酸※2、※15

をはじめとした栄養素の至適量摂取が不可欠です。

※エネルギー不足を招く分子栄養学の重大問題「貧血」について解説

東京都内の病院で健康診断を受けた20〜49歳の日本人女性10,598人を対象にした研究では、ヘモグロビン(Hb)濃度※16が12.0g/dL未満、つまりWHO(世界保健機関)の定める成人女性の貧血の基準に該当する人が、全体の約6人に1人にのぼることがわかりました※17

この研究は健康診断データを用いた横断研究であり、栄養素摂取量に関する正確なデータは得られていませんが、「多くの高所得国では貧血は食事摂取と関連しており、鉄・ビタミンB12などの微量栄養素の欠乏、肉・野菜などの摂取量の減少に関連している可能性」が考察されています※17、※18、※19

食欲が落ちる夏こそ、新鮮なおかずたっぷりの食事を意識的によく噛んで

ここまで見てきた「20代で栄養バランスの取れた食事が少ない」というデータ※1と、「女性の約6人に1人が貧血の目安となるHb値である」というデータ※17は、いずれも夏に限定した数値ではありません。

しかし、もともと栄養バランスの取れた食事をとれていない人が多いという実態※1や、貧血に該当する女性が一定数いるという実態※17を踏まえると、暑さで食事量が減りやすい夏場は、こうした栄養の偏りや不足がより表面化しやすい時期なのではないかと考えられます。

特にそうめんなど糖質に偏る食事では、健康維持に不可欠なタンパク質・良質な脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足します。

今日からできる、夏の栄養バランスを整える工夫

例えば、主食(糖質)だけで済ませるのではなく、卵や鶏肉、豆腐などの主菜、野菜や海藻の副菜を一品添えるだけでもバランスは改善します。薬味やゆで卵を加える、具だくさんの味噌汁やスープを一品足すといった工夫も手軽です。

分子栄養学がおすすめする ※食事の基本 を参考に、暑さで食欲がない日ほど意識して主菜・副菜をそろえ、夏を元気に乗り切るための第一歩としていきましょう。

金子メソッド(Kaneko’s method):血液データ解析に基づく個別化栄養療法のススメ

自分にとっての健康維持のための最適な栄養素の量がどのくらいか、気になる方もおられることでしょう。

例えば鉄不足により「鉄欠乏性貧血」※20が進行すると、酸欠により全身の細胞におけるエネルギー産生量が低下し、さまざまな不定愁訴の一因となることが世界中で重要視され、研究されています。また近年の研究では、鉄欠乏性貧血になる前の段階(=貯蔵鉄の低下)から、すでに身体と心に深刻な影響が生じる可能性も報告されています※21、※22

そんな中、2021年に分子栄養学に基づく栄養療法について、『倦怠感患者に対する血液データ解析に基づく個別化栄養療法』という論文が発表されました※23

この研究では、倦怠感を訴える患者さん(253名)に分子栄養学独自の手法である「血液データ解析に基づく個別化栄養療法(金子メソッド)」を実施・評価した結果、そのほとんどが慢性症状や疾患予備軍の状態から回復したことが報告されています※23

金子メソッドは、健康維持のために「単に栄養素を補給する」のではありません。医師が血液検査を詳細に分析し、その人だけに合わせたサプリメント処方や食事のアドバイスを行う「個別化栄養療法」、栄養療法の新しい実践的方法であることが報告されています※23

暑い夏を乗り切り、健やかに秋を迎えるために、まずは自分の身体の状態を個別化栄養療法という客観的な物差しで測り、健康維持への第一歩を踏み出してみませんか。

金子メソッドは、倦怠感など未病の状態に悩む多くの無症候性・未診断の患者さんを救う可能性を秘めた、新しい栄養療法です※23

(※金子メソッド(Kaneko’s method)とは?血液データ解析に基づく個別化栄養療法)

※1 出典:「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf)(2026年7月10日に利用)

※2 Brittenham, GM., et al. Biology of Anemia: A Public Health Perspective. J Nutr. 2023;153 Suppl 1(Suppl 1):S7-S28.

※3 el-Nawawy, A., et al. Evaluation of erythropoiesis in protein energy malnutrition. East Mediterr Health J. 2002;8(2-3):281-289.

※4 Pasricha, SR., et al. Iron deficiency. Lancet. 2021;397(10270):233-248.

※5 Ganz, T. Systemic iron homeostasis. Physiol Rev. 2013;93(4):1721-1741. 

※6 Muckenthaler, MU., et al. A Red Carpet for Iron Metabolism. Cell. 2017;168(3):344-361.

※7 Layer, G.,et al. Structure and function of enzymes in heme biosynthesis. Protein Sci. 2010;19(6):1137-1161.

※8 Jaffe, EK., et al. The molecular mechanism of lead inhibition of human porphobilinogen synthase. J Biol Chem. 2001;276(2):1531-1537.

※9 Zheng, J., et al. Differential effects of GATA-1 on proliferation and differentiation of erythroid lineage cells. Blood. 2006;107(2):520-527.

※10 Oliveira, DC.,et al. A review of select minerals influencing the haematopoietic process. Nutr Res Rev. 2018;31(2):267-280.

※11 Cabezas-Wallscheid, N.,et al. Vitamin A-Retinoic Acid Signaling Regulates Hematopoietic Stem Cell Dormancy. Cell. 2017;169(5):807-823.e19. 

※12 Cañete, A., et al. Role of Vitamin A/Retinoic Acid in Regulation of Embryonic and Adult Hematopoiesis. Nutrients. 2017;9(2):159.

※13 Mejía, LA., et al.  Hematological effect of supplementing anemic children with vitamin A alone and in combination with iron. Am J Clin Nutr. 1988;48(3):595-600.

※14 Astner, I., et al. Crystal structure of 5-aminolevulinate synthase, the first enzyme of heme biosynthesis, and its link to XLSA in humans. EMBO J. 2005;24(18):3166-3177.

※15 Koury, MJ., et al. New insights into erythropoiesis: the roles of folate, vitamin B12, and iron. Annu Rev Nutr. 2004;24:105-131.

※16 ヘモグロビンとは、血液中で酸素を運ぶ役割を持つタンパク質のことです。(※赤血球・ヘモグロビン・ヘム・鉄の関係とは?)

※17 Hisa, K., et al. Prevalence of and factors related to anemia among Japanese adult women: Secondary data analysis using health check-up database. Sci Rep. 2019;9(1):17048.

※18 World Health Organization. Iron deficiency anaemia: assessment, prevention and control a guide for programme managers. WHO/NHD/01.3 (2001)

※19 Brussaard, JH., et al. Iron intake and iron status among adults in the Netherlands. Eur J Clin Nutr. 1997;51 Suppl 3:S51-S58.

※20 貧血にはビタミンB12・葉酸不足で起こる巨赤芽球性貧血など、いろいろな種類があります。

※21 Auerbach, M.,et al. Iron Deficiency in Adults: A Review. JAMA. 2025;333(20):1813-1823.

※22 Pasricha, R.,et al. Iron deficiency. Lancet. 2021;397(10270):233-248.

※23 Arakaki, M.,et al. Personalized Nutritional Therapy Based on Blood Data Analysis for Malaise Patients. Nutrients. 2021; 13(10): 3641.  

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