The Orthomolecular Times

2025.8.8 分子栄養学の食事「カルシウムを多く含む食品」

各種検査について

血液検査の意義③「”基準値”と”平常値”」

一般の血液検査における基準値(基準範囲)とは

健康診断の結果。「今回、判定がDだった・・・」「今回は大丈夫だった!」

基準値内であれば大丈夫・・?

一般に会社や自治体において行われる健康診断や一般の医療機関の血液検査は、ある病名を想定して採血する「病気の発見」が目的です。そして、その診断基準は、基準値から結果の数値が外れているかどうかが問題になります。外れていたらまずい、と思ったことはありませんか?

基準値は個人の正常値ではない

しかし、その基準値は、実は個人の正常値を表すものではありません。

目安となる参考値かもしれませんが、その個人の基準値は一人ひとりが少しずつ違っています。

分子栄養学では、この個体差の違いによる個人の基準値を、個人の平常値と呼んでいます。

なぜ、基準値は個人の正常値ではないの?

一般に参考にされる多くの「基準値」は、「健常者(病気がない)とされる集団」のデータを集め、統計学的に求めた全体の95%の人が含まれる範囲を示したものです。

そうすると、健常者であったとしても、少し高めだったり、あるいは少し低めだったりする方たちの分が必ずそれぞれ2.5%ずつ外されます。

しかし当然、集まった人たちの間には個体差が存在するため、基準値を集団ではなく個人で考えた場合、その範囲の幅は「基準値」よりもずっと狭くなることが考えられます。

また、その95%の人が含まれる値をかつては「正常値(正常範囲)」と呼んでいましたが、外された5%に入っても「健常者」であったり、正常範囲内であっても健康とみなされない場合もあります。

そこで「正常」という表現によって誤解や混乱を招くことを避けるため、正常値(正常範囲)という言葉はなくなり、

・基準値(基準範囲)

という言葉が用いられるようになりました。

そして基準値から外れていても、他の関連する検査項目や生理的な要因などとともにバランスよく総合的に判断することが医療において行われています。

それぞれのデータのバランス、数値の経時的変化を重要視

分子栄養学の分野では、それぞれのデータのバランス、数値の経時的変化を重要視します。

検査項目の中には、統計的に求められたものではない空腹時血糖値などの「臨床判断値」というものも存在します。

それらも参考にしながら、医師が血液検査データを手がかりに、栄養状態に関連する項目の傾向を確認しながら、個人ごとに異なる特性に配慮した栄養アプローチを検討しています。

血液検査の意義

血液には栄養素や代謝物が含まれており、生活習慣や体調などによってその構成は変化するとされています。

分子栄養学は、心と身体の健康維持を目指すための考え方のひとつです。

分子栄養学では、医師が血液検査データを手がかりに、栄養状態に関連する項目の傾向を確認しながら、個人ごとに異なる特性に配慮した栄養アプローチを検討しています。

RELATED

PAGE TOP